闇の子供たち
梁 石日
『闇の子供たち』と言う本を知っていますか?
この本はもう何年も前に読んだのですが・・
この本は、北野武が主演した「血と骨」の原作者「梁 石日」ヤン・ソギルの著書です。
「血と骨」も大分前に読み、読後感は「暗澹たる気持ち」になったものですがこの「闇の子供たち」を読んだ衝撃と言ったら・・・
それがこの度、映画化されて8月2日(土)より上映されるそうです。
『闇の子供たち・・・公式サイト>>』
映画化を知り本を読んだ当時のトラウマを思い出してしまって・・・
私は書店に入るとまず「新刊書コーナー」で色々な本を物色するのですが
この本が出版された当時、書店で一番目立つ場所に平積みされていて良く目にしたのですがパラパラと捲ったページが悪かったせいかそのページの「話」が少年の売春のような場面でその手の話は苦手なので軽い嫌悪感から「購入リスト」からは即座に外されました。。。が・・・
その後も行く書店、書店で目に付く場所に・・・
ある日、意を決して再びこの本を手に取り中身を改めてみると・・・
この本は私が誤解していた「少年愛物語」でも「児童売春」の話を愛好するような本でもありませんでした。
この本は『ヤイルーンは八歳のときに売られてバンコクに連れて行かれた…。幼児売春、臓器売買。抑圧と貧困が支配するこの世界で蹂躙される子供たちの運命を描く。by アマゾン』本でした。
えっ?これ小説なの?こんな酷い内容なのに実の国名とか出てるけど・・・実話なの??
その思いがこの本を購入した動機です。
読み進めるほどに内容の凄まじさに手が震え、怖気がするようでした。
東南アジアでは子供達を食い物にした売春組織があるのはニュースなどでも知っていましたが・・・・
貧しさ故に親に売られる子供達。
抗う術もなく大人達の言いなりに蹂躙されて行く子供達。
「使い物」にならなくなったらゴミのように捨てられ・・・
必死の思いで故郷に戻っても待っていた仕打ちは・・・
そして例え「健康」であっても健康故に待ち受ける運命はあまりにも惨い・・・
貧困と弱者に群がるエゴの物語に戦慄が走った本でした。
読後感は自分が無力であるという「無力感」に苛まれ暫くは心的外傷を受けたような鬱状態でした。
もちろん小説ですから過剰な書き方、誇張された描写もあると思いますが少なくとも「本当にあった(ある)話をモチーフ」にしていることからは目を背けてはならない。と言うメッセージを強く感じました。
この本の「表紙絵」は「ゴキブリを食べている子供」の絵です。
この絵がこの本の登場人物のうちの誰なのかは本を読むと分かりますが
このゴキブリを食べた子供のその後を思うときに貧困問題の根深さ、自分の痛みを上回る痛みを他者に与えても、それが唯一自分が生き残る手段という恐ろしい負のスパイラルに戦慄が走らずにはいられません・・・・・
この本をお読みになる場合は何卒自己責任で・・・
追記;7月10日(水)
youtubeで映画のトレーラーがありましたので貼っておきますね。
この映画は【PG12】指定です。
12才以下でも保護者同伴なら観られるんですね・・・
多分「映倫」があるので本のようにむごいシーンは上手くカムフラージュされていると思うのですが・・・
「火垂るの墓」でも号泣してしまった子供達にはショックが強すぎるかな・・・
でも本の中にあった「知ろうとしないから現実が見えない」と言ったメッセージが頭から離れません・・・
上映映画館の情報は>>
http://www.yami-kodomo.jp/theater.html
関東は↓です。
東京 シネマライズ 03-3461-0051 8/2(土)〜
神奈川 109シネマズMM横浜 045-664-0109 8/2(土)〜
109シネマズ川崎 0570-007-109 8/2(土)〜
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